四街道市特別演奏会

東混  創立60周年を記念する幕開けの演奏会は、わが町、千葉県「四街道市特別演奏会」であった。
今年は四街道市の音楽協会が設立35周年を迎え、その記念の演奏会に、東混を招いてくださったのである。

さて、四街道市音楽協会の会長である森川和子氏は、福島市のFMC混声合唱団の指導者として名高い高野広治氏の姪にあたられる。若き頃、叔父さまの指導のもとで歌われ、田中信昭氏の指導も受けておられる。
田中信昭氏が指揮をするとFMC合唱団の音がガラリと変わったという。
その衝撃的な出会いの日から森川氏は田中信昭氏に私淑し、東混のファンとなられたそうである。
そして50年の歳月が流れた。

2013年4月27日に東混がかつしかシンフォニーヒルズに於いて開催した「親子で歌い継ごう日本の歌百選」を、森川氏が聴いてくださった。
終演後にロビーで、「四街道に東混を呼べないだろうか?四街道の合唱人たちとこの感動をぜひ共有したい」というお申し出をいただいた。
「夢に終わらせず、きっと実現させましょう!」と堅い意志を確認し合い、その日から、東混と四街道市民が共演する音楽会の企画が始動したのである。

それから3年。長い月日の間には多くの困難や苦労があったことだろう。
森川氏の合唱への並々ならぬ情熱と、深い人間愛がなければ乗り切れなかったと思う。
このような会長さんに賛同する多くの方々が、音楽協会合唱団として集い、共演曲「水のいのち」に取り組んだ。
今年に入り、本番の指揮者である伊藤翔氏を迎えての稽古が、2月と3月に行われた。どちらの日も練習は3時間に及んだ。
伊藤氏の音楽的要求は、かなりハイレベルなものであり、アマチュアコーラスだからと言って決して妥協は許さなかった。出来ない部分は何度でも繰り返し、わかりやすい例えを用いて良い方向へと、粘り強く導いていらした。
合唱団員は目を白黒させながらも、必死で伊藤氏の指導に喰いつき、頑張って歌った!

4月24日の本番は、こうした必死の取り組みの結果である。このような努力の過程そのものが、すでに演奏会の成功を予感させている。

第1部
「うたよ」という森川氏作詞の曲を冒頭に、「水のいのち」は、やはり集中した良い演奏となった。
その後に続く東混のステージは、
第2部
活気に満ちた中世、ルネサンス音楽
第3部
「萬歳流し」は東混男声陣の役者魂あふれる演技と、四街道の音楽活動を称える口上で、お客様を沸き立たせるに充分であった。
第4部
「歌い継ぎたい日本の歌」は、鷹羽弘晃氏のキレのあるピアノ演奏に支えられ、大いに盛り上がった。

そしてアンコールは、鷹羽氏作曲の「うたっていいな♪」と歌い出す「合唱讃歌」。
歌い手も聴き手も素直な喜びに浸れる音楽で、心地よい余韻と共に音楽会が幕を閉じた。

四街道公演は「うたよ」に始まり、「うたっていいな」で終わった。
市民合唱団の熱意に鼓舞させられた我々東混団員は、渾身の演奏を提供することができたように思う。

森川氏の東混への50年越しの愛はこのような形になって実を結んだのであった。
私は、四街道市の音楽関係者の一人として、また東混の団員として、感謝の思いを深くするばかりである。

打ち上げパーティーでは、ごちそうをいただきながら音楽協会の皆さんとの話に花が咲き、アットホームな空気の中でコンサートの余韻をじっくり味わうことが出来た。

2016年4月24日
東混ソプラノ  太田道代  記(四街道在住)

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