短期不定期連載 勇者ダイコン 『ざわざわへの道』 その7〈石版て便利だね〉

ico_kaori
アルト
小野寺香織
「アーアー、聞こえてる?」
「見えてるか?」
「バッソ、離れて離れて。みんなが見えないよ。」
「どう?カギは作れてる?」
「うん、いい感じ。」
「初めのカギがかなり奥まで進めてくれたしね。」
ハリーとの言葉のやり取りがまた良いカギの鋳型を作ってくれてる
今はね、二つの違う言葉が組み合わさると違う一つの言葉が生まれるっての試してみてるんだ。」
「へえ、どんなの?聞かせて。」
「うん、例えば『curl』ってだんだん声を小さくして行って、その後に『find』って小さい声から大きな声にして行くんだ。
同じように『tide』をだんだん大きく、『climb』を小さい声から大きな声にして行くと『kindn,time』っていう新しい言葉が聞こえてくるとか。」
「ステキ」
「でね、『ざわざわ』以外にもオノマトペで考えたんだ。例えば『ぽつ』は雨音みたいに疎らに始まってだんだん雨脚が早くなる感じを出したりとか。『ぺたー』は貼りつく感じで長く発音したりとか。」
「ステキ。」
「ソプーナ、『ステキ』しか言わないんだったらオレにもなんか喋らせろ。
アレだろ、元の言葉と違って聞こえるっつーのは、『バックします』が『ガッツ石松』って聞こえるみたいなヤツだろ。
「…。」
探偵ナイトスクープですか^_^;
「♪しかしこの石版て便利だね。」
「トウコン国民にもコレで秘宝を共有できるかしら?」
「金かかりそうじゃねえか?」
「ウチの金庫番お金にうるさいのよね。」
「ウチの金庫番?」
「私の事でしょうか?」
「ワ、ワタプリ!」
「石版はお高いです。国の財政を考えればもちろん無理です。」
「んもぅ、何かと言えば『財政ガー』って。面白くないのよ!」
「面白い、面白くないではないのです。お金があるかないかなのです。ソプラさまのご機嫌に適わなくとも『無いものは無い』と申し上げるのが私の仕事です。」
「♪ソプラ〜?」
「おい、どう言う事だ『ソプラ』って、ソプーナ、お前『ソプラ』なのか?…ってソレ誰だ?」
「ソプラはトウコン国のお姫さまよ。」
「ひめ〜⁈」
to be continued

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