「泣ける」合唱曲「嫁ぐ娘に」

~9月4日(金) いずみホール定期演奏会No.20に寄せて~

midori

アルト
志村美土里

東混に入団以来、それはもう数え切れないほどたくさんの合唱曲を演奏して来ました
歌いながら思わずホロっとする作品にはときおり出会いますが、練習中から本番まで一貫して「涙が込み上げてくるのを止められない」作品は、三善晃さんの「嫁ぐ娘に」をおいて他はありません。

演奏経験のある方はお解り頂けるのではないかと思いますが、この作品を歌っていると、高田敏子さんと三善晃さんが作品に込めた優しい想いや戦争に対する怒りと哀しみ、そして人間への希望が和音とともに溢れ出してくるのです。
それにどうしようもなく感動してしまい、「ヤバい、ヤバい、ここで泣いては声がーっ」と思いつつも、目の前がうるんで、鼻水が(笑)

このブログをご覧の皆様にだけ、そっとお教えしますが、私の一番の泣きポイントは、「嫁ぐ娘に」の最終曲「かどで」のラスト4ページ(42~45ページ)です。

とはいえ、演奏する側が泣くのではなく、聴いているお客様を泣かせないといけないので、本番では冷静な頭と熱いハートで、しっかりと歌いあげたいと思っております。

短調で哀しみ、長調で喜び、という単純な構造ではなく、さまざまな和音が折り重なってハーモニーを形成している三善晃さんの作品の真髄を感じて頂けるよう、頑張ります。

今回は、これ以外にもさまざまな作品を演奏致します。

難曲として知られ、なかなか実演に触れることが無いと言われる「クレーの絵本 第2集」。

以下に、三善晃さんご本人の言葉を引用致します。

クレーの風景と谷川さんの眼が、私に遠近法を許してくれる、と、第1集でも述べたが、それは今回も同じである。それは今回さらに深く感じられて音構造の陰影につながったように思う。地表の背律や不合理、生の哀しみや痛みが、その遠近法を彩色するのだが、その色彩に透視されるものは虚無や絶望でなく、地表への希いと生への愛であり、そこに、詩が私を捉え、私が音を書きたかった理由がある。
1980.6.5 三善 晃
(カワイ出版楽譜より)

どうぞ、いずみホールにて、三善晃さんの「愛の結晶」を、耳で、身体で、存分に味わって頂きたいと思っております。

そしてさらに、
東混の最新CDである
「日本の合唱セレクション20」
http://toukon1956.com/public/pb_detail_FOCD9687.html
FOCD9687

こちらの中から選りすぐりの10曲をお聴き頂きます。
こちらのCD、とても大好評でして、すでに都内のCDショップでも品薄状態とか!?

それぞれの作品に、合唱を愛する人々の想いと、十人十色の思い出が込められていることでしょう。
自分の青春時代に歌った歌は、たとえ何歳になっても色褪せない輝きに満ちています。
「ああ、あの時は自分も高校生だった…」と、ひととき、私達の演奏に浸りながらタイムトリップをして頂けましたら幸いです。

そしてもし、この中に知らない作品があったとしたら、むしろそれを聴きにいらして頂きたいなと思います。

愛される作品には、理由がある!!

その理由を、9月4日にいずみホールで確かめてみませんか?
どうぞ、合唱を愛する皆様のお越しをお待ちしております。

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9月4日(金) いずみホール定期演奏会No.20
プログラム
◎三善晃 関西ゆかりの合唱作品

■三善晃:作曲
MIYOSHI Akira(1933-2013)
混声合唱曲「嫁ぐ娘に」(1962)
嫁ぐ日は近づき
あなたの生まれたのは
戦いの日日
時間はきらきらと
かどで
高田敏子:詩

■三善晃:作曲
MIYOSHI Akira(1933-2013)
混声合唱組曲「クレーの絵本 第2集」(1980)
黒い王様
ケトルドラム奏者
黄金の魚
まじめな顔つき
死と炎
谷川俊太郎 詩

◎いずみホール定期演奏会20回記念
~この20年、愛された日本の合唱曲選~

ふるさと(1971)
(矢澤宰作詞・萩原英彦作曲)
海はなかった(1975)
(岩間芳樹作詞・広瀬量平作曲)
ひとつの朝(1978)
(片岡輝作詞・平吉毅州作曲)
方舟(1980)
(大岡信作詞・木下牧子作曲)
かみさまへのてがみ(1984)
(谷川俊太郎作詞・?嶋みどり作曲)
IN TERRA PAX-地に平和を-(1990)
(鶴見正夫作詞・荻久保和明作曲)
聞こえる(1991)
(岩間芳樹作詞・新実徳英作曲)
きみ(1994)
(谷川俊太郎作詞・鈴木輝昭作曲)
信じる(2004)
(谷川俊太郎作詞・松下耕作曲)
くちびるに歌を(2006)
(ツェーザー・フライシュレン作詞・信長貴富訳詞作曲)

チケット:全席指定 S席4,500円 A席3,500円 B席2,000円
お問い合わせ:大阪アートエージェンシー 06-6459-9612

「八月のまつり」寺嶋さんインタビュー第1回

8月7日(金)勝どき・第一生命ホールにて「東混・八月のまつり36」がありました。
「八月のまつり」は、林光作曲「原爆小景(詩・原民喜)」 の演奏を柱としたコンサートシリーズです。
2011年までは林光さん(2012年没)が自ら指揮を振ってくださいました。
「まつり」に長くたずさわり、今回の委嘱作品の作曲と、指揮とピアノを引き受けてくださった寺嶋陸也さんに、練習の合間をぬって、いろいろお話をうかがいました。
コンサートはすでに終わってしまいましたが、「八月のまつり」を振り返りましょう。

terashima_ico takayuki yawara
作曲・指揮
ピアノ
寺嶋陸也
アルト
高橋由樹
ソプラノ
好田真理

林光さんと作品のこと

好田(以下 好):今回のインタビュアーの高橋は林光先生の大ファンで、毎年毎年「八月のまつり」にかける想いはすごく強いんです。なのでインタビューを一緒にお願いしました。林先生が亡くなられたことにもすごくショックを受けていまして…
高橋(以下 高):私は入団が2003年だったんですけれども、10年前に広島で「まつり」をご一緒した時のことですとか(2005年)、やっぱり入団してすぐの年のこととかが印象深くて。「マザーグースの歌(詩・谷川俊太郎)」をやったんです。あと、出版はされてない譜面で「地の歌 風の歌(北米先住民族の口承詩 訳・金関寿夫)」という、いろんな民族の。

寺嶋(以下 寺):ああ!アメリカンインディアンのですね。出版されてないかもしれないですね。10曲くらいある曲。
高:はい、それをぜひもう1回、どこかでやりたいですね。あれっきり東混でも演奏してないんです。マザーグースは演奏の機会があれから何度かあったんですが、そちらの曲はなくて。

寺:そういう曲もやっていけるといいですね。光さんの曲って意外に出版されてないもの多くて、合唱に限らずなんですけど。初演でそれきりになっちゃってるっていうのもわりとあったり。曲の真価がわかんないままになっちゃうっていう曲が今までにもあったので、そういう曲もね、やれるといいですね。
高:よく歌われている「うた」「ねがい」(詩・佐藤信)も出版されたのはわりと最近ですよね。(全音楽譜出版社 作曲は1982年)

寺:出版はそうですね。ただね、あれはもう楽譜はいっぱい出回っていて、楽譜くれって言われたら惜しみなく送ってくださるスタンスでしたから。
高:私もバイオリン付きのを事務所に問い合わせたことあります。そういうのもほんと惜しみなく、お願いすれば「どうぞ」っていう。
寺:そうでしたね。

 hikaru_2
(「八月のまつり」のリハーサルで打ち合わせ中の林光氏と寺嶋陸也氏)

高:あと編曲ものですごく私が覚えてるのは、「曼珠沙華(山田耕筰)」で、林先生が「これだけは伴奏をぼく、いじれなかったんだよね」っておっしゃっていて。
寺:ああ、最後に後奏がついてる。
高:ええ。後奏はついてるけれども、「本編のほうはこんなにうまくできてるのってないからいじれなかった」っていう。しみじみおっしゃっていたのが印象に残っていますね。
寺:まあ亡くなりかたもね、どこも悪くなかったのに突然亡くなったっていう感じだったから…。亡くなったばかりの時はなんだかよくわからなかったけども、年々こう、いないことの、なんていうかその、さみしさというか重さというか、そういうものが応えてきて。特に震災があって、原発事故があって、今こんなような政治の状況で、光さんがいたらなんて言っただろうなあとか。いないってことのさびしさってこう、本当に、しみじみ感じますね。

東混と林光、そして寺嶋陸也さんのつながり

daigo_fukuryumaru(第五福竜丸展示館のコンサートチラシ)

高:江東区の、第五福竜丸展示館でのコンサート(2010年)あのときのことも鮮明に覚えていて…12,3人かな?すごく少ない人数だったんですけど。「原爆小景」の「日ノ暮レ」と「夜」は人数的にできないから、「水ヲ下サイ」と「永遠のみどり」だけやったのかな。林先生には、先生ならではの演奏の機会をたくさん与えていただいて、それが本当に私はもう毎回楽しみで!「雨の降る品川駅」(詩・中野重治 曲・寺嶋陸也)あの曲もよく覚えていて。
寺:ああ!そうそう、あれやってた。もともとは劇のために書いた曲だったんですけども。

高:この間の六花亭も林先生がつないでくださった仕事だったし(7月25、26日札幌六花亭ふきのとうホール)、こういう機会はたぶん東混にいないと持てなかった機会だと。まず直に作曲家の先生方に会えるというのもなかなか無いですし。まあ、今はアマチュアの方でも委嘱活動はとても盛んなので機会は増えたと思うんですけれど、これだけたくさんの機会を持てるっていうのが東混にいて非常に幸せなことで。
hikaru_3
寺:小林さん(東混事務局)が熱心にね、「まつり」に関してはね、ずっとやってたんでね。
高:もともとその、林先生に聞いたのかな?8月は演奏の機会が少ないって…。
寺:「あんまりいい仕事ないから…」

高:みたいのを練習の合間にぼそっと、「8月って暑いし演奏会もないから、じゃあなにかやろっか」っていって始めたみたいなお話をされたことが、確かあったと記憶しています。

好:寺嶋さんは「まつり」の出演は?
寺:出演は、第10回くらいの頃が初めてだったかなあ。20回以上出演させてもらっています。

好:小林さんはいつから?
寺:小林さんはもう1回目からずっと。僕が初めて東混と一緒させて頂いたのが「まつり」なのか、それとも…?旧奏楽堂で光さんが指揮してシリーズをやってたことが5回くらいありました。一番最初にやったのは「埴生の宿」でしたね。それの第1回にピアノ弾きに行ったんです。その時か、「まつり」が最初か…覚えてないんですけど。秋島さん(テノール)とは大学で親しくしてて。旧奏楽堂の時は秋島さんは入団してたんですよね。

寺嶋さんはピアニストでもあります…しかし?

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寺:「まつり」もね、おもしろいことがあったんですよ。頼まれてたのにプログラムにピアノの入る曲なくなっちゃったって、それで突然キャンセルってことが(笑)
高:それは発注のミス?
好:ピアノ頼まれてたのに必要なかった?
寺:そう。もう毎年だから、終演後に「来年もお願いします」とかっていう感じで。

高:1年前にもう頼んでて?
寺:そのあと正式に「今年もお願いしますね」っていうのがいつもは何ヶ月前かにあって。でもプログラム作ってみたら今年はごめんねって(笑)。あとは、光さんが自分で弾くとか言って。ピアノは抒情歌くらいしかなくて、それは自分で弾くって。抒情歌の曲目なんかは小林さんが選んでたんじゃないかな。

好:今回の山田耕筰(没後50年)の選曲は?
寺:今回は僕が。(抒情歌集の)6曲全部選んでもよかったけど、長いかもしれないかなとか思って。「ペチカ」はあまりにも季節はずれだなって。「待ちぼうけ」は最初からもう、ああこれはアンコールにしようと。考えてみたら、全部(詩が)北原白秋なんですよね。

<続く>

(今回記事中に使用している写真は2010年8月9日「八月のまつり31」の際に秋島光一が撮影したものを林光さんの許諾のうえ使用しています。)


短い時間で結構ですので、とインタビューを始めました。
けれど気が付いたら30分以上!寺嶋さんも楽しそうに話してくださいました。というわけで、内容盛りだくさん。今回はここまで。次回は、今回演奏した寺嶋さん作曲の2曲「花筐(はながたみ)」と新作「予兆」について語っていただいた内容を、お届けします。
(次回更新は8月31日を予定しています)

youtubeに動画をアップロードしました!

今回、ブログサイト立ち上げを記念して、ブログサイトのジングルを作成しました。
せっかくなので、画像を付けてプロモーション用にyoutubeに動画をアップロードしました。
上のボタンを押してもご覧いただけます。

※大変短いです。ご了承ください。

動画名:東混団員ファンタスティックブログプロモーション
音楽:ブログサイトジングルA(作詞:山田和樹/作曲:熊谷隆彦)
演奏:東京混声合唱団団員有志
使用画像撮影:渡邉隆寛

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うれしいお便り!

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伊藤浩

 

今年の『八月のまつり』は立秋の前日でしたが、残暑とは名ばかりの暑い日々が続いています。

さて、先日はこんな素敵なお便りが届きました。
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5月に文化庁「文化芸術による子供の育成事業ー巡回公演事業ー」で訪れた学校の子どもたちが、寄せてくれた公演の感想文です。

みんなで読んでいます。
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小さなお客様が綴った言葉の一つ一つが、私たちへの大きなエールとなります。
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心のこもった感想文をありがとうございました!どうぞ健やかに夏休みを過ごしてくださいね。また会う日を楽しみにしています。

東混と校歌

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好田真理

 

残暑お見舞い申し上げます。
今日は終戦の日ですね。

まだまだ暑い日中ですが、夜の風は梅雨明け頃のおそろしい暑さからは変わってきた気がします。

甲子園では今日も暑い熱い球児たちの戦いが繰り広げられています。
テレビで応援していても、1球1球ハラハラドキドキしながら見ています。

昔の話ですが、東混に入団したての頃、高校野球の応援が趣味という先輩に連れられて、仕事のついでに甲子園に応援に行ったことがあります。どこの高校だったかなどは忘れてしまったのですが、太陽の暑さと球児たちの必死に戦う姿を覚えています。

さて、東混の仕事のひとつに、スタジオ録音があります。
アニメや映画の効果音楽のほか、校歌や社歌も録音したりしています。

先輩から聞いた話ですが、かつて「甲子園に行くことになったが、勝った時にかける校歌がない!」と、あわてて発注が来て録音したこともあったそうです。
東混の歌った校歌が、高校球児たちの励みになっていたらうれしいな、と思います。

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最近では、児童生徒数の減少から統廃合になった学校の校歌を記念に残しておこう、と依頼が来ることもあります。

スタジオに着いて楽譜を見て、「あ、これ地元の学校だ」なんてことも。
そうして自宅に帰り、母に「○○女子高校って知ってる?」と聞くと、「母校だよ」との答え。
今は共学になってしまい、学校名が変わってしまったそうです。

昔、母が歌った校歌を、まったく偶然にも娘が記録音源として録音する。
そんなこともありました(おどろきました!)。

我が地元群馬県の代表校、高崎健大が今年も3回戦へ進みました!! おめでとう!
挨拶と機動破壊、そしてbe together校歌で有名な高崎健大。

球児たち、ガンバレ!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。