短期不定期連載 勇者ダイコン 『ざわざわへの道』 その2<謎の少女>

kaori_onodera

アルト
小野寺香織

その2〈謎の少女〉
「で、まずはどこへ行く?初めは弱っちいヤツと戦うんだよな、スライモ?とか言うヤツ?」
バッソやる気満々です。
「面白い事になりそうだね。」ハリーは先ほどから嬉しそうです。
「先ずは腹ごしらえだ。」ダイも何だか小鼻が膨らんでしょうがありません。
「腹が減っては戦は出来ないって言うもんな~。」

「この人たちは戦う訳じゃないよ。」
店の女主人、アルテは一言そう言うとどんどん料理を並べました。
「え?戦わない?んじゃ何すんのさ。」
「ココロのセカイに通じる祠がウチの店の近くにあってね、そこで道を探すんだよ。」
「通じてんなら探す必要ないじゃん。」
「あの祠はたくさんの道に通じていてね、それぞれに色んなドアがあって沢山のカギが必要なんだよ。」アルテ特製のチーズと豆腐入りのミートパイを頬張りながらハリーが答える。
「カギ?カギならカギ屋だろ。」「戦わないって言うし…俺、役に立つのか?」
「もちろん。」
その言葉を自分が口にした事に驚いた様にダイはアルテを見た。
「いい仲間を見つけた様だね。」

「仲間なんて要るの?だって、あなたはカギを見つけるアイデアがソーダの様に次から次へ浮かんで来るらしいじゃない!」
店の隅から軽やか鈴の音の様な、しかしきっぱりと言い切る声が聞こえた。

「君は?」ダイ、ハリー、バッソの声が揃った。

to be continued

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