ベルリン・イン・テンポ/山田和樹

ブログリレー

皆さま、第4奏者(!)の襲来のお時間です。なんと日本では雨が降りそうになっています…!笑

前回の宮田さんから繋ぐお題は、

ドイツと日本での生活について

首都ベルリンに住み、世界を飛び回るこの方に登場いただきます!!どうぞ!!



理事長・音楽監督

山田和樹

File:「ベルリン・イン・テンポ」


てっきり音楽の話がくるかと思いきや、”生活”がテーマとは!
さて、どこらへんを切り口にしたものか。
僕の場合、ドイツに着いても日本に着いてもホッとするのですが、そのホッとする内容がちょっと違いますね。日本はとにかく便利、ドイツは日本ほどの便利さはないものの、どちらでもホッとするのです。テンポ感の違いと言えるかも知れません。
日本の場合は、日曜日や祝日でもたくさんのお店が開いていますが、ドイツではほとんどのお店が閉まります。なので、日曜日の分の買い物を忘れていたりすると、しまった!ということになるのですが、こういったことさえも、なんだかのんびり感があってホッとするのです。
基本的にヨーロッパのほうが、「おおらか」だったり「のんびり」している感覚はあるのですが、ことドイツに関しては、その中に「厳格さ」があります。とてもルールを重んじる国民性があるのですね。信号一つとっても、赤信号で渡ってしまうような人はドイツではとても少ないです。一見、日本人のほうが生真面目にルールを守りそうなものですが、信号や速度制限などの交通ルールはドイツのほうが圧倒的に遵守されていると思います。

自分の住まいはベルリンにあります。ドイツの住まいにはアルトバウ(Altbau)とノイバウ(Neubau)の2種類があり、直訳すればアルトバウは「古い建物」、ノイバウは「新しい建物」ということになるのですが、おおよそ築70年未満までのものを「新しい建物」というので、日本の感覚とは随分と異なります。
築70年以上のものが「古い建物」に分類される訳ですが、自分はそんなアルトバウに住んでいます。家に入居する時、部屋に大きなタイル製のストーブがあって雰囲気満点だったのですが、場所もかなりとっていて、さすがにそれは撤去してもらいました。自慢は天井の高さで、3メートル40センチくらいあります。天井が高いというだけで、のびのびした気持ちになることができます。
家に入居する際には、日本のようにすべてが完備されている訳ではなく、壁のペンキ塗りやカーテンレールの取り付けなども基本的に自分で行わなければなりません。
今から11年前の2009年8月にベルリンに居を移した時も、一生懸命壁のペンキ塗りをしていました。それからすぐ2週間後にブザンソン指揮者コンクールだった訳ですが、その直前までペンキ塗りをしていたのは良い思い出です。

日本に居る時は、とにかく忙しくなってしまいがちなのですが、ベルリンに居る時は、料理をする余裕もあります。もっぱら日本食です。得意料理は、揚げない揚げ出し豆腐。
ラディッシュ、ズッキーニ、マンゴーなど、日本では高い食材がベルリンでは安く買えたりしてお得感があります。人参は日本のものより細くて固め、ナスやピーマンはとても大きい。
料理は、音楽づくりと共通するところがあって面白いです。フランス語で指揮者のことを「シェフ」と言うのですね。素材をどう料理するのか。
よく料理は愛情、と言いますが、本当にそうだと思います。
同じレシピ通り作っても、作る人が違えば同じ味にならないところが面白いところで、楽譜通りに演奏しても、同じ演奏にはならないことと共通していると思います。

ベルリンは街歩きをしていても大変に楽しい街です。
つい最近、バスの停留所に、見たこともない古いバスが停まっているのを発見しました。普段は写真などあまり撮るほうではないのですが、その時ばかりは、近づいていってパチリ!
レトロな雰囲気、最高です。この日は、普通にお客さんを乗せて営業しているようでした。


通りかかった映画館の思い出もあります。
最初は何気なく映画館があるなあ、と思っていただけなのですが、そこに書いてある建物の名前を端から読んでいくと「ティ・タ・ニ・ア・パ・ラ・ス・ト、、!?」
TITANIA PALAST、なんと第2次世界大戦直後にベルリン・フィルの仮の本拠地になっていたあのティタニア・パラストだったのです!!
高校生時代によくフルトヴェングラー指揮のCDを聴いていて、会場の名前にティタニア・パラストはよく出てきていたので、覚えていたのでした。
今では地域密着型のひっそりとした佇まいの小さな映画館なのですが、何を隠そう、第1回国際ベルリン映画祭の会場は、ここティタニア・パラストだったそうです。

街に、建物に、人に、音楽に歴史あり。
ベルリンの壁が崩壊してから早31年、されど31年。
ここベルリンは、常にエキサイティングな街であり続けています。

という訳で、次の方にバトンタッチですね。
ソプラノの加藤綾香さん!
お題はどうしたものか、、『素敵な場所』とかどうでしょうか。
実際に行ってみて素敵だったところとか、行ってみたいところとか、はたまた架空の場所だったり。
(ちなみに僕は、ギリシャのメテオラです。)
ブログの更新、楽しみにしています。団員の皆さん、ありがとう!!!


自宅にいてもベルリンにReisen?(旅行)している気分になれますね。

ヤマカズさん、素敵な記事をありがとうございました!!

さて、次の方に回ったバトンは、

素敵な場所」!

東混のナウシカと名高い加藤綾香さん。どんな場所を紹介してくれるのか、楽しみです!

前回:宮田さんの記事はこちら

次回:加藤さんの記事はこちら

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