早くも第2弾が到着しました!!
前回のコンマスから渡されたバトンは、「現在 過去 未来」。どのような記事になるのでしょうか!
お次はこの方より!!どうぞ!!
アルト
File2:♪現在 過去 未来〜
『現在 過去 未来』というお題をいただきました、自粛のおかげで日々ぼ~っと考え事ばっかりしているアルトの小野寺です。
なんだか哲学っぽいお題ですが、渡辺真知子さんがこの歌詞から始まる『迷い道』を歌ったのが1977年ですから、それをご存知の方には耳慣れた歌詞の一節、といったところでしょうか。
時系列で考えると過去→現在→未来の順なのに、この曲は『現在』から始まっていますね。それを「順番がおかしい!」とか言っていた人はいなかったように思います。
それが『現在』を起点として時間の流れを捉える考え方とリンクしているように感じられて面白いです。
『日本語』では時間の起点は『過去』にあります。
例えば
「ご飯を食べた」の『~た』は過去を表しますが
「ご飯を食べる」『~る』は『現在』だけでなく『未来』も表せます。これは『非過去』つまり『過去』以外なんです。
仏教の『因果応報』の考え方などの影響があるのかもしれません。
思想の中では問題ありませんが、世の趨勢をかんがみるとこんがらがることが。
例えばご存知ドラえもん。
ドラえもんが『いた』(~た=過去形)未来から見ると『現在』は『過去』?である。ドラえもんが『いた』(~た=過去)、またセワシくんが『いる』のは「未来』である。…ああもうタイムマシン並みのパラドックスが~。
そこではここで日本語に比べて『現在』時制がしっかりしていると言われる英語を使って考察を進めて参りましょう。
あ?飽きちゃいました?そんな方はぜひこちらでリフレッシュしてください(^^)→https://time-space.kddi.com/otonovr/chorus-tk/
I go to ~ 現在
I went to ~ 過去
I will go to~ 未来
皆さんお気づきになりました?
実は英語には『未来時制』が無いんです。「え~?だって未来って書いてるじゃん!」と聞こえて来そうですが、上をよ~く御覧ください。ほら、未来は動詞が変化してなくて will とか助動詞を使っちゃってますよね。うんうんだって未来形ないんだもん。
動詞の原形は言うまでもなく現在形で使われている『go』です。
英語では『過去』、『未来』は『現在』を起点に考えられているのがわかります。
次は『現在完了』を使ってもう一つ『現在』起点の考察を進めましょう。
『現在完了』の用法は多分この3つを習ったと思います。
①経験
I’ve been to Finland twice.
②継続
We have lived here for ten years.
③完了
I have already finished my homework.
おや?眠くなりましたか?だったらこちらはいかがでしょうか?→
まだいけるぞ、という方はお付き合いくださいませ。
『現在完了』と言いながら『完了』は③だけ。『経験』と『継続』はがっつり『現在』を起点にしています。
といえその『完了』も『現在完了』というだけあって『現在』との関係性が色濃く、現時点での認識に基づいての『完了』です。『過去完了』にしたって『現在』から見た『過去』の時点での『完了』なんです。
そしてこの『現在』には話者の存在、気持ちの有り様が密接に関係していると考えられます。
英語学習のサイトに興味深い例がありました。
①There was a great earthquake here.
②There was been a great earthquake here.
こちらは日本語に訳せばどちらも「ここで大きな地震があった」になりますが、①は過去ここで地震があったということを伝えるだけですが、②だと、その爪痕はまだ残っているのが窺え、話者の気持ちが文章に反映されているように感じます。
英語は主語が何であるかによって、話者が何を主語にするかによって気持ちを伝えることが可能なのです。
一方日本語は主語がなくても会話が成り立ちます。
それは海に囲まれ海外との交流も少なかった小さな国の中にあって、似たような気候の中、こじんまりした集落で同じような価値観を共有していたことによって生まれた推し量る力、忖度力で維持されていたのかもしれません。
世の中が変化することによって考え方、価値観もそれぞれになると主語を明確にし、「それ」や「あれ」も詳細がないと真意が伝わらなくなるでしょう。
理解するまでの時間を待つ余裕のない速度で進む世の中にあっては日本語の曖昧さは相互理解の妨げになりやすいでしょう。
ですが、同時にこの曖昧さは時にはお付き合いの糊代であり、想像を掻き立てる『行間』や『余白』のような「いとをかし」な部分でもあります。
「あなたのことが好き…」の後「。」なのか「じゃない。」なのか、イライラするのか、ドキドキするのか。日本語イイね。
長々とお付き合いありがとうございました。自粛が続くとこんなことをウダウダと考えてしまいます。このブログがこの自粛で悩んでよく眠れない、という方のお役に立てれば幸いです。
さて先日『成功の遺伝子』という番組を観ていましたら、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが出ておられて、1972年旭化成に入社するもダメ開発者だったが、とある歌手の歌からヒントを得て「過去からの流れで未来を予測する」と気付き、これからは機械を持ち歩く時代、簡単に充電できる電池が必要と考えリチウムイオン電池を開発したのだそうで、その『とある歌手の歌』がまさに『迷い道』でした。つまりは『現在 過去 未来』は玉響の間も途切れることなく繋がっているんですね。どんど晴れ。
あ、次回に方はこの自粛中にオススメの小説、漫画、映画とそれぞれのエピソードをお願いしまーす (^^)/
ちなみにこれは私のケータイの過去と現在。過去に倣って現在もINFOBARです。色々なことができるようになりましたが使い勝手は前のほうが…。
なんだか読むだけで頭が良くなった気がする、そんな記事でした♪
前回:德永さんの記事はこちら
次回:宮田さんの記事はこちら
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