私のポリリズムー浜辺のアインシュタインに寄せて

思い出

ソプラノ
和田友子

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こんにちは。
ソプラノの和田友子です。
これを書いている10月初旬、東混は16名の合唱で、神奈川県民ホール主催 フィリップ・グラス/ロバート・ウィルソン『浜辺のアインシュタイン』に参加しています。公演は来る10月8日(土)/9日(日) 神奈川県民ホール。

4時間ノンストップ。台詞はあるが物語はない。歌詞は”数字”とドレミのみ。打ち寄せる波のように、幾度も繰り返される音楽とダンス。そこから生まれる独特のグルーヴ。目の前に広がる舞台空間は、穏やかな海のごとく、ゆっくりと変化していく

(神奈川県民ホール浜辺のアインシュタイン特設サイトより引用)

コーラスは、ピッコロ、フルート、ソプラノ・アルト・テナーサックス、バスクラリネット、ヴァイオリン、オルガン といった楽器と共に、リズムフレーズを繰り返しながら音の波を形成していきます。

例えばある小節では、〈女声コーラスが5拍子×3回をやっている間にサックス群は3拍子×5回を奏でる〉というパターンを計4回繰り返す。といった具合に、ときに異なるリズムパターンを組み合わせ、繰り返しながら脈々と音楽を続けていきます。

これはかなり歌手泣かせな手法でもあり、ちょっとでも楽をしようとして抜いたポジションで歌うと、もう数小節で喉が悲鳴をあげてしまいます。いかに体幹を使い、下半身の支えを持って歌うかが持続のポイントです。ちゃんとやった方が疲れません(言い方)。多少声種によってコツは異なるかもしれません。そしてそのうち身体自体が音楽になっていく…

と、連日稽古を重ねていたある日の夜-ベッドの中で頭と身体はグルーヴ状態…そういえばこの感じ…と思い出しました。

時を遡り私が幼稚園生の頃(80年代初頭)。通っていた子供の園幼稚園で週1回くらいリトミックの時間がありました。

運動会にて。たしかこの手の繋ぎ方をプロムナードと呼んでいた…前向いて下さい

私が大変印象に残っているのが、「にぶちゃん」「しぶちゃん」「はっぷちゃん」などの音符の長さを表すことば(順に二分音符、四分音符、八分音符)。
それに、「おてて」「あんよ」(手拍子、足踏み)。

他に忘れていたので調べてみると、足踏みでは言い方が違って、にぶちゃん→おじいちゃん、しぶちゃん→おとうさん、はっぷちゃん→あかちゃん となるみたいです。

そしてどうやらこれは、ダルクローズのリトミックを基に創意された、【天野式幼児リトミック】というものだったらしいことがわかりました。

前述のことばの組み合わせで、『おててがしぶちゃん』(手拍子で四分音符)、『あんよがおじいちゃん』(足踏みで二分音符)などとやっていきます。
先生がピアノを弾きながら即時反応的に指示を出し、拍子はその時の先生のピアノ伴奏から音を聴いて感じる、という風に。

みんなで輪になって、『あんよがおじいちゃん』で「ぼーん・ぼーん」と歩いている時に、『おててがしぶちゃん』と言われたら、手拍子は二分の一の長さで「トントン・トントン」と両方組み合わせてやっていきます。

理屈は一切習わないので、これをやりながら拍や拍子の概念を身体で覚えるんですね。

それで一番高度なパターンで、(今考えると例えば)あんよで二拍子系、おててで三拍子系というのがあった気がするのです。ただ…三拍子系の言い方が調べても分からず。どなたかご存知でしたらぜひ教えて下さい。
足踏みで2/4拍子をしながら、手は付点二分音符、みたいな。むむむポリリズム。これが来ると、来たなおい!と思いながらやっていたような…

運動会等で発表する機会もあって、当時の私はとても楽しく取り組んでいました。

この拍と拍子の表現?の他に、身体表現のようなものもあり、『でんしんばしらーーー』『えびーーーー』などとやっていた思い出があります(もはや意味不明ですみません。身に覚えがある方挙手お願いします)

この隊形から→This is でんしんばしら。この後えびになる。足を頭のうしろへ。

話がだいぶ逸れてしまいましたが、身体で奏でる、身体が奏でる、という所で思い出された幼少期の体験でした。

稽古はこれから舞台稽古に移り、いよいよダンサーさん、俳優さんの台詞と合わせる時です。ドキドキ‼️

5、6歳の私!楽しく元気にリトミックに取り組んでくれてありがとう。
今めちゃくちゃ役に立ってるし、最高にエキサイティングな体験しているよ。

10月8日・9日、ぜひ会場でお会いしましょう‼️ ご来場お待ちしています‼️

おまけ。おいもほり→そりゃそうなるよね→自己肯定感この時がMAX

参考文献:
東北女子大学・東北女子短期大学 紀要 No.52:134 ~ 140 2013
リトミックに関する研究 Ⅰ -天野式リトミック指導者養成講座内容をふまえて-中山寛子

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幼稚園からのリトミックで鍛えられた友子さん…!
能力の秘密がまた一つ紐解かれた気がします。

10/8,9はフィリップ・グラスの『浜辺のアインシュタイン』!
日本では初演以来30年ぶり、かつ初めての新制作上演となります。

公演ページ(外部サイトへ飛びます):
https://www.kanagawa-kenminhall.com/d/50th-opera1

今週末は是非横浜までお越しください!(ブログ係・平野)

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