アルト
栗原苑子
いっぱい寝たし、映画も2本見たし、ご飯も食べ終わった帰りの飛行機でこのブログを書いています。
6月に行われた第5回マルゲリータ・グリエルミ声楽コンクールで有難いことに第一位を受賞しました。その副賞としてイタリア往復航空チケットをいただき、この度イタリアへ行ってきました。
15年ほど前、私はイタリアに住んでいたことがあります。
シエナにあるキジアーナ音楽院の夏季マスターコースを受講した後、ミラノで語学学校と歌のレッスンに通う日々を送っていました。
15年ぶりに訪れるミラノ。
歴史的な建物も多く残る町並みはあまり変わっておらず、忘れていた記憶もすぐによみがえってきました。
ミラノのシンボル、ドゥオモ。ミラノチェントラーレ駅。住んでいたアパート。
きゃー懐かしい~!
ミラノに到着した翌日から毎日レッスンに通いました。イタリア語でのレッスンはなかなか慣れなかったですが、一つでも多くのことを自分のものにしようと努めました。
コンクールで受賞できた喜びもさることながら、この賞にふさわしい演奏をし続けなければという身の引き締まる思いを感じています。
週末はフィレンツェに行きました。フィレンツェは3,4回訪れたことがあるのですが、見どころが多くて回り切れていませんでした。
今回はアカデミア美術館、ピッティ宮殿、ボーボリ庭園、パラティーナ美術館などルネサンスの芸術をたっぷりと楽しむことができました。
特にミケランジェロのダビデ像はその造形美に圧倒されました。
本当に美しかった。
でもダビデさん、こんなにたくさんの人から見上げられて写真撮られて恥ずかしい~って思ってるわね。
ミラノではスカラ座での演奏会やバガッティヴァルセッキ博物館(私のおすすめ!)へ行ったり、ミラノ在住の大学の頃の同級生と会いました。
久しぶりに会うお友達は懐かしく、でも昨日会って話したかのようにあまりに自然に話が弾んで、2倍速で話してもぜんぜん時間が足りない!
残念だけどの帰り道、なんて素敵な夜なんでしょう~って叫びながら歩いていました。(リアル!)
今回の旅で15年前の自分にタイムスリップしたように感じられた時が幾度となくありました。
言葉がうまく伝わらなかったとき、列車の車窓から景色を見ているとき、荷物を背負って歩き疲れた時、演奏会の高揚感の残るスカラ座のロビーに立った時、、。
当時の私は自分のやりたいことを勉強できる幸せをかみしめつつも、どこかもやもやした何かの中にいて、宙ぶらりんな気持ちだったことを思い出します。
現在の私が当時の私にかける言葉があるとすれば
なりたい自分になれる。よ。
・・・かな。
あれから15年たった今だからこそ思うことですが、人生うまくいくこともあればそうでないこともあるわけで。
でもそれを経た、その地点から見るなりたい最高の自分を目指せばいいんだと。
なりたい自分というのは運や環境によって変わりやすいものだけど「私」という太い軸から外れなければ自信をもっていける。この言葉は私にとって譲れないけどニュートラルな気持ちでいられるのです。
そしてこの言葉を15年後の自分から言われているであろうと意識しながら過ごしていきたいと思っています。
この機会を与えてくださり、私を支えてくださった方々と、家族には感謝の思いでいっぱいです。
ここも私のアナザースカイ、
ミラノです!
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