佐々木武彦(バス・ささきたけひこ)
中学2年生の5月、学校の廊下で音楽の先生に声をかけられた。 「音楽クラブがNコンに出場するんだけどピアニストがいないの。佐々木君ピアノ弾いてくれない?」 ちょうどその頃、普段のピアノのレッスンに面白味を感じられなくなっていたので、「Nコンに出る」という事が『なんだか面白そうな事』に思えて二つ返事で引き受けた。 それから9月の地区大会まで練習に取り組んでいく間に、ピアノとは違う音楽の世界、決して一人では作り出せないハーモニー、みんなで呼吸を合わせるアンサンブルに魅了され、すっかり合唱にのめり込んでいった。
家でピアノを練習する時もレッスンに持っていく曲はそっちのけで合唱曲のピアノパートばかり練習する始末。 これには親も呆れ顔だったが・・・(笑)
そして迎えた大会当日。
◎昭和55年度NHK全国学校音楽コンクール 空知地区大会(北海道)
夕張市立夕張第一中学校
課題曲 川崎洋 作詞 湯山昭 作曲 『きみは鳥・きみは花』
自由曲 山上路夫 作詞 池辺晋一郎 作曲 混声合唱組曲「時は流れても」より『その人は言いました』
結果 奨励賞 入賞はできなかったけれど、今思えばこれまで体験した事のない程の達成感だったのだろう。コンクールが終わって数日間は魂が抜け落ちたようになってしまった。
その後中学3年、高校2年、3年と計4回Nコンに参加した。しかし4回共ピアノでの参加だったので一度も歌い手として出場する機会がなかったのが残念といえば残念。だがそれよりも高校1年の時に先生がコンクールの申し込み期限を勘違いして出場できなくなった事の方がずっと残念で心残りである。 余談だが、東混のメンバーになってこれまで池辺先生とは幾度となく一緒に仕事をさせて頂いているのだが、未だ自分の合唱キャリアが先生の作品から始まった事をお伝えする機会がなく、定年までにはお話できたらと思う今日この頃である。
和田友子(ソプラノ・わだともこ)
加藤綾香(ソプラノ・かとうあやか)
でも2年生になり歌いたくなってきたので、歌い手に変更しすぐ練習した曲が、当時Nコン課題曲の「聞こえる」でした。
この時期は毎日が楽しい反面、多感な時期でもあり、泣いたり笑ったりやんちゃしたり、忙しくまぁー色々ありまして。
特に辛い時、部活で「聞こえる」を練習していると、冒頭でまず心を静めながらも発散したり、涙が込み上げてきたりしながらも、前向きな気持ちも生まれていました。この時の気持ちにちょうど合致したんでしょうね。こういったこともあり、とても印象的で思い出深い曲です。
そしてこの曲を勉強するにあたり、新実先生の曲を何曲か練習していました。
どれもきれいな調性の中美しい旋律で歌ってうっとり、新実先生の想像が膨らむばかり。
そしてその数年後、東混に入団して間もなく実物にお会いできるとは想像もつきませんでした。
新実先生!…オ、オヤジギャグもお炸裂で……とても気さくでスラリとした素敵なおじさまでした!(笑)
高校生の私へ、Nコンでは悔しい思いもしたけれど、思わぬすごい出会いが待ってるぞー。
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