今の将棋の楽しみ方

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Bass. 宮田圭一

藤井聡太の知名度はすでにとても高く、今さらどんな人なのかを説明するまでもありませんね。
今回ブログを書かせてもらうにあたり、四つの項目に絞って大いに語らせてもらおうと思います。四つとは次のとおり。

1.藤井聡太の8冠完全制覇への展望
2.プロ棋士の将棋の対局について
3.将棋とAI
4.藤井聡太の魅力について

それでは早速一つ目の8冠完全制覇への展望について

3月に、藤井聡太竜王が、8大タイトルのうちの一つである「棋王」を奪取しました。
これで6冠制覇。ファンとしては是非とも完全制覇してもらいたい!偉業を達成する瞬間を見たい!

まだ持ってないタイトルは2つ。「名人」と「王座」
名人戦は7番勝負で4月5日から開催中。(現在藤井竜王が2勝)
王座戦は9月から。
この2つを勝つ事に加え、今保持しているタイトルを全て防衛する事も必要で、8冠完全制覇はなかなかに厳しい。
まだ半年も先なので、今から騒いでも仕方ない。とりあえずは名人戦を応援しますかね。遅くても、6月中には勝負がつきます。

2.プロ棋士の将棋の対局について

例えば、名人戦は一局の持ち時間各9時間で、8大タイトルの中でも最も長くかかる対局です。各9時間だから合計18時間です。一局に18時間ですよ。そんなに長い時間ずっと盤を挟んでにらめっこしてるのかと言えば、さにあらず。
トイレも行くし、ご飯やおやつも食べる。散歩とかもするらしい。動画などでこういった対局の中継を観る事もあるが、どちらか一人がいない事が多いです。二人ともいない時もある。おーい、何してるんだ、という感じですよ。
このあたりがこういった大一番の対局がテレビに流れない一番の理由でしょうね。これでは番組として成立しません。
将棋の番組は一応あります。日曜日の午前中にNHKでやってるやつ。あれは早指し戦なので何とかなってますが、持ち時間何時間のタイトル戦とかは無理。

3.将棋とAI

すでにAIによる将棋のソフトはかなりの進化を遂げています。将棋ソフトもかなりの数が出ていますが、この将棋ソフトというやつは観戦者に優しい2つの機能があります。
一つは最善手が表示される事。何をどのように判断してるかは分からないけれど、最も勝利に近づく次の一手を表示してくれるのはとても有り難いです。
もう一つは評価値の表示。
評価値とは現在どちらが優勢かを数字で表したもの。プラス300とかマイナス1200みたいな感じで表示されます。プラスなら先手優勢でマイナスなら後手優勢。
この2つの機能により、どちらが勝ってるのかが格段に分かり易くなり、興味をもって観戦できるようになりました。
これにより新たなスタイルのファンが増えた事でしょう。
「観る将」と呼ばれてますね。
指さずに観る専門のファンです。私もその一人です。藤井竜王の指した妙手鬼手に酔いしれております。

4.藤井聡太の魅力について

すでに史上最強棋士として呼び声高い藤井竜王。ニュースに彼の名前が出る時は大抵、至上最年少〜という感じですね。その事を否定する事はありませんが、ニュースでは語られない魅力を語りたいと思います。
棋譜という言葉があります。棋譜とは7六歩、3四歩といった符号を用いた、棋士が指した対局の記録です。
特定の局面で今まで指された事の無い手は新手として多くのプロ棋士達により徹底的に研究されます。そしてその「新手」は翌日には「前例」となります。ましてや藤井竜王の指した新手となれば…
勝負は盤の外でも行われているのです。新手に対する研究の量と質が勝負を決する時代、そして藤井竜王の出現によりその速度がさらに加速されているように思えます。

有力な新手というものはそうそう出せるものではないのです。なぜなら、その局面ではこの手が最有力であると既に研究が進められているからです。言い換えれば、新手とは過去の多くの研究者に対する挑戦です。
藤井竜王は何を目指しているのか。少なくとも全タイトル完全制覇などというものではないと思います。彼にしか見えていないもの。私ごときには分かるはずもないのだが、その辺りが一番の魅力ですね。上手く言えませんが、何を考えているのかが分からない、という…これは恋と言う事ものに近い感情ですかね。

最後に一つだけエピソード。
現名人である渡辺名人の言葉。
「藤井竜王と一回対局すると二度負かされる」という言葉。
普通、プロ棋士同士の対局が終わると感想戦というものをやります。あの時にこう指していたらこちらが勝ってたのではないか
、みたいな事を、時にはかなりの時間を費やして行われるわけです。
藤井竜王は、その手に対してはこのような手がありましたよ、と事も無げに言われてしまうのです。その手は渡辺名人にとっては想像すらしなかった妙手であり、対局で負けて、感想戦でも負けて…という事で二度負かされたという意味なのです。
藤井竜王の対局では、このように棋譜に残らない妙手がとてもたくさんあるようです。まさに幻の妙手。
要するにどのような指しても負けていた、という事でこれは相手の心を折る勝ち方をしているわけですね。
藤井曲線、ここにあり!という何ともカッコいいエピソードでございました。

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