イマココ。

マスターズ

アルト

志村美土里

2022年6月。
今この文章は、いつか年を経て見返した時に「ああ、あの時は…」と思い出すために記しています。

皆さまこんにちは、
アルトのパートマスター、志村美土里です。
こちらのブログでは長らくのご無沙汰ですね。

まずは謹んでご報告をば。
5月に開催されました、第33回奏楽堂日本歌曲コンクールにて、このたび第2位(木下記念賞銀メダル)を頂きました。

コロナ禍で3年ぶりの開催、念願の旧奏楽堂での舞台。本当に嬉しかったです………!!

東混の本番がほぼ毎週末ある中でコンクールの準備と体調管理をするのは本当に大変でした。でした、というか、今現在も、誠にありがたいことに(涙目)過密スケジュールの渦中でございます…(大汗)

というわけで、ここで2022年4月末からのスケジュールをご覧ください(笑)告知も兼ねて、9月頭まで一気に参りましょう!!
(★印がソロ本番です)


4/22(金)合唱の輪「相澤直人の世界」
4/30(土)やまぎん県民ホール「合唱の祭典」(山形市)
5/8(日)コン・コン・コンサート2022
★5/14(土)奏楽堂日本歌曲コンクール一次予選
5/15(日)パナムジカ35周年特演(豊中市)
★5/21(土)奏楽堂日本歌曲コンクール二次予選
5/27(金)合唱の輪「松下耕の世界」
★5/29(日)奏楽堂日本歌曲コンクール本選
5/30(月)東混〜北原白秋を歌う〜 (柳川市)
6/4(土)りゅーとぴあワンコインコンサート(新潟市)
★6/13(月)紡ぎゆくうたものがたり ルーテル市ヶ谷ホール「チャリティーの日」(チケット完売のため、事前にご案内できずごめんなさい)


そして、イマココ。
↓↓


★6/21(火)木下牧子 歌曲の世界(東京室内歌劇場/台東区ミレニアムホール)
7/1(金)合唱の輪「上田真樹の世界」
7/9(金)国立劇場特別公演「鉄道唱歌」
★7/16(土)奏楽堂日本歌曲コンクール入賞記念コンサート(旧奏楽堂)
7/31(日)東京混声合唱団×新国立劇場合唱団dream concert(東京オペラシティ)
8/3(水)東混八月のまつりin広島(広島市)
8/5(金)広島交響楽団 2022 「平和の夕べ」コンサート(広島市)
8/7(日)東混八月のまつり43(第一生命ホール)
★8/19(金)魅惑のスペイン歌曲vol.4(台東区ミレニアムホール)
8/27(土)ポピュラー・ソングブック(杉並公会堂)
9/4(土)東混オールスターズ(東京芸術劇場)


ふう…

まさに渦中の5月は
「この東混のスケジュールでコンクール受けようと思った自分……どうかしてるわ……」と、
それこそ毎日のように思ったものです。
今年の1月末にコンクールの要項を取り寄せ事務局に日程を確認した時「うわー!二次と本選の日がちょうど空いてる!!」と、思わず声が出てしまいました。
それは歓喜と絶望相半ばする「うわー」でした…←正直

なお上記のスケジュールは本番だけですから、これらの合間に各本番のリハーサルや個人レッスン、合唱指導、身体のメンテナンス…などが入っています。
もしかしたら「何もないお休み」は、ほぼ無かったかも知れません。

とまあこんな状況ですから無理もなかったのですが、コンクール二次予選の翌朝から「良性発作性頭位めまい症」なる症状が出たりもしました。
(今は治りましたのでご安心を!)

奏楽堂日本歌曲コンクールは毎年5月開催のため、20代の頃から(東混の本番と被っていない時のみ・コロナ以前はだいたい地方公演と丸かぶりで断念)数回チャレンジしていましたが、層の厚さと自分自身の未熟さ不勉強さから、良くて二次予選止まりでした。
そんなわけで今回初めて本選出場を果たせただけでも大変な喜びだったのですが、望外の結果を頂けて本当に幸せでした。

とにかくのんびり屋の私に対して丁寧にご指導くださった先生方、
伴奏の原なぎささん、
影に日向に支えてくれた主人、
温かく見守ってくれた同僚たち、
応援してくれた周りの皆様に本当に感謝しています。

☆☆☆……ここから回想シーンスタート……☆☆☆

思えば高校生の頃、「歌を本格的に勉強してみたい」と思い声楽のレッスンを始めた頃、地元で開催された日本歌曲の講習会。
師事している声楽の先生に誘って頂き、何も分からず聴講した私。

元々日本文学や詩の世界が好きなこともあり、一編の映画を観るような物語のある作品や邦楽を感じる音、美しく懐かしい旋律に強く惹かれました。

いつか自分も歌ってみたいな…

そんな想いを抱いたまま音大へ。
ただ、当時は音大で日本歌曲を深く学ぶ機会はあまり無かったように思います。
そもそも学部の実技試験で日本歌曲を歌う機会がありませんでしたから。
(1991〜1995年の話しです。特別講義などはあったのかも知れませんが、超絶ボンヤリしていたので情報をキャッチ出来なかっただけかも←おいしっかりしろ)

まあハッキリ言って学業はそこそこに、混声合唱のサークルでどっぷり青春していた私は、その学生合唱サークルの常任指揮者であった塚田佳男先生(日本歌曲の研究、解釈、伴奏において第一人者としてご活躍のピアニスト)から、合唱を通して音楽のイロハを叩き込まれたのでした。

当時叩き込まれたはずのイロハニホヘトチリヌルヲ……は、私の浅いキャパシティを遥かに超えていたため、主に「日本語歌唱における発語技術」と「様々なタイプの合唱作品との出会い」についてのみ、やや強めに印象に残りました。

(なお、この「様々なタイプの合唱作品」とは、例えば池辺晋一郎、柴田南雄、間宮芳生などの作曲家の作品でした。これらが東混への憧れに繋がります←これはまた別の機会に詳しくお話ししたく存じます)

☆☆☆……回想シーン終わり……☆☆☆

さて、日本歌曲と呼ばれるものは今この瞬間にも生まれていますが、山田耕筰や信時潔…などに代表される、いまや「古典」の部類になる作品には楽譜に書き表されていない「型」のようなものがあると言われています。
楽譜通りに歌っても、正解ではない。非常に繊細な約束事があるそうなのです。
その事を深くご存知で、かつ、作曲家が生きていた時代を直接(もしくはかなり近い間接的に)知る最後の世代が、今私たちが師事している70代以上の先生方です。
先生方はまだまだお元気でご活躍ですが、それでもこの先20年30年も現役かと言うと、おそらくそうではない。悲しいことですが。

「えっ、いま勉強しておかないと絶対後悔するやん」というのが、私がコンクールを受けようと思った大きな理由のひとつです。

私は来年五十路を迎えます(突然の告白!笑)ので、「いつか、そのうち…」と思わずにコンクールという目標を定め、否が応にも勉強せざるを得ない状況に叩き込んだことは良かったように思います。

あとひとつは「今日歌えても、明日歌えるとは限らない」という思いです。
大切な仲間を病で失い。
あらゆる厄災は何の忖度も無くやってくることをここ数年で思い知り。
なにごとも「自分にも起こりうることだ」と強く心に刻み、後悔のない音楽家人生を送りたいな、と思っているわけです。

東混の団員としての活動とソリストとしての活動は私にとって非常にシームレスで、片方で学んだ事は必ずもう片方に役立っています。

最近では豊中市での演奏会でご一緒させて頂いた本山秀毅さんとのバッハのリハーサル時、ドイツ語の単語としてのまとまり感やイントネーションを音楽に活かす、というお話しを伺いました。
それは、私がレッスンで先生から「音符が見えるように歌わないで!」と指摘される時と同じ解決策だったのです。
嗚呼、同じなんだ…!と、ひとり感激しまくりでした(笑)

これだけのステージを日々こなしながら勉強するのは確かにハードですが、好奇心のある限り、音楽がそこにある限り、牛の歩みであっても(丑年なんです笑)コツコツと進んでいけたらいいな、と思っています。

というわけで。

「イマココ」の私は、木下牧子さんの歌曲(未出版/東京初演)の暗譜に苦労しています!!(笑)
そして、7月の上田真樹さんの楽譜にワクワクしたり、入賞記念コンサートにドキドキしたり、8月のスペイン歌曲(ファリャの「7つのスペイン民謡」から3曲と、グラナドスの歌曲を歌います)にハラハラしたりしています。

(こちらの昼公演に出演します。13時45分から木下牧子さんご本人によるプレトークあり❤️)

https://www.taitocity.net/zaidan/sougakudou/oshirase/news/6635/

色々詰め込んでとーーーーっても長くなってしまいましたが、そんな感じですっ(笑)

(あっ、パートマスター的なハナシが一切無かったーーーー!!)


一人で歌うことと、数人で歌うこと、大人数で歌うこと。

それぞれに違う魅力も、同じ魅力もあり…。

楽しさがギュウっと詰まった「今」の歌声に、ぜひ耳を傾けて頂ければと思います。

東混の今後の本番はこちらに♪

東混
The Philharmonic Chorus of Tokyo

以上、パーマスの「いま、思うことシリーズ」(今考えました)完結です!

まだ未読の記事がある方は、ぜひご一読くださいませ♪

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