君は今

思い出

アルト

小林音葉

先日の第261回定期演奏会で、『光の中(詩:坂上優 曲:尾高惇忠)』という曲を演奏しました。

(撮影:中村紋子)

雪解けの春に鳴り響く鐘。

私は歌いながら、震災のことに思いが及びました。

先月、学校公演で訪れた気仙沼や陸前高田。

海のそばに広がる新しい街並みに言葉が詰まりました。

現地の方は「だんだん震災前の景色が思い出せなくなってきている」とお話してくれました。

復興とは何だろうかと考え込んでしまいました。

ただ同時に、こうして胸の内を言葉にして交わせるようになったことに12年の月日を感じます。

もっとたくさん色んなお話を聞いて、色んなものをちゃんと見たいと思いました。

学校での子どもたちとの楽しい合唱の時間はキラキラしていて、私の宝物になりました。

『光の中』は、この大切な思い出とつながりました。

ブログのタイトルは、その詩の一節です。

曲中では「君」が絶望を知る時でさえ、音楽は歩みを止めません。

惇忠さんの音楽の世界に触れることができて、本当に幸せでした。

今日の東混は高知公演。

これまでに出会ってきた景色を、合唱で分かち合いたいです。

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